第78回応用物理学会 秋季学術講演会(2017年9月5日~8日、福岡)で、修士課程1年生の高橋憶人君がPoster Awardを受賞しました。
講演番号:6a-PA9-5
講演題目:分子動力学計算によるAlOxNy/SiO2界面におけるダイポール形成の駆動力の調査
著者:高橋 憶人、中川 宣拓、富田 基裕、渡邉 孝信
第78回応用物理学会 秋季学術講演会(2017年9月5日~8日、福岡)で、修士課程1年生の高橋憶人君がPoster Awardを受賞しました。
講演番号:6a-PA9-5
講演題目:分子動力学計算によるAlOxNy/SiO2界面におけるダイポール形成の駆動力の調査
著者:高橋 憶人、中川 宣拓、富田 基裕、渡邉 孝信
当研究室で開発中の線分ベースSLAMの動画をYoutubeで公開しました。
当研究室所属の修士1年生、依田大輝君らが開発した羽ばたき型MAV「WiFly」の紹介動画をYouTubeで公開しました。
詳細は、3月9日、秋葉原コンベンションホールで開催されるBrighten up Ventures 2017で発表いたします。
修士2年生の功刀遼太君が国際会議「MNC 2016」で行った口頭講演が「MNC 2016 Young Author’s Award」に選ばれました。
2017年11月6日~9日に韓国済州島のRamada Plaza Jeju Hotelで開催された「MNC2017」のオープニングセレモニーで、Awardの表彰式が行われました。
修士課程2年生の功刀遼太君が筆頭著者の論文がApplied Physics Express誌に掲載されました。
MOSトランジスタの高誘電率ゲート絶縁膜に見られるしきい値シフトの起源を、分子動力学計算を用いて原子レベルで明らかにした結果を論じた論文です。
2017年1月19日~21日に東レ総合研修センターで開催された「電子デバイス界面テクノロジー研究会」(第22回)で、修士課程1年の大場俊輔君が「シリコンナノワイヤ型熱電発電デバイスにおける短チャネル効果」と題して口頭発表行い、この発表で服部賞(若手奨励賞評価・解析部門)を受賞しました。
修士1年生の依田大輝君が、WASEDA-EDGE 人材育成プログラムから生まれた取り組みを紹介するラジオ番組”WASEDA-EDGE DREAM”に出演し、「羽ばたくドローンで作る空飛ぶセンサー」の研究開発を紹介しました。
Tersoffポテンシャルは、Stillinger-Weberポテンシャルと同様、Si結晶が表現できるポテンシャルとして広く用いられている。クラスタ展開に基づくStillinger-Weberポテンシャルと異なり、各原子の局所的な環境に依存して結合の強さが変わる「ボンドオーダーポテンシャル」という思想でデザインされた。
1988年に発表されたTersoffポテンシャルの論文(Physical Review B, Vol.37, 6991)によると、以下のような定義になっている。
$$ V = \frac{1}{2}\sum_i\sum_{j \neq i} f_C(r_{ij})\left [ f_R(r_{ij})+b_{ij}f_A(r_{ij})\right ] $$
ここで\(f_R\)は等方的に働く反発相互作用、\(f_A\)は引力相互作用項で、それぞれ指数関数型の関数で表される。
$$ f_R(r_{ij})=A_{ij} \exp(-\lambda_{1} r_{ij} ) $$
$$ f_A(r_{ij})=-B_{ij} \exp(-\lambda_{2} r_{ij} ) $$
また\(f_C\)は相互作用を有限距離で滑らかに打ち切るカットオフ関数で、Tersoffポテンシャルでは
$$ f_C(r_{ij})=\left \{
\begin{array}[ll] \displaystyle 1, & r_{ij}<R – D\\
\frac{1}{2}-\frac{1}{2}\sin\left (\frac{\pi}{2} \frac{r_{ij}-R}{D} \right ), & R – D <r_{ij}<R+D \\
0, & r_{ij} >R+D
\end{array}
\right . $$
が用いられている。
ボンドオーダーポテンシャルの特徴は、局所的な環境に依存する係数\(b_{ij}\)に詰まっている。
$$ b_{ij} = {(1+\beta_i^{n} \zeta_{ij}^{n})}^{-1/2n} $$
ここで\(\zeta_{ij}\)は
$$ \zeta_{ij} = \sum_{k \neq j} f_C(r_{ik}) g(\theta_{jik}) \exp [ \lambda^3_3 {(r_{ij}-r_{ik})}^3 ]$$
と定義され、さらに\(g(\theta_{jik})\)は
$$ g(\theta_{jik}) = 1 + \frac{c^2}{d^2} – \frac{c^2}{d^2 + {(h-\cos\theta_{jik})}^2} $$
と定義されている。なお、\(\theta_{jik}\)は\(i\)を頂点とする\(j\)-\(i\)-\(k\)結合角を表す。
このように、原子\(i\)と\(j\)の引力相互作用は\(r_{ij}\)だけでは単純に決まらず、\(i\)と\(j\)を取り巻く周辺の原子たち(ここでは\(k\)でラベル付けされている)の配置にも依存して変化することになる。
\(N\)個の粒子からなる系の全ポテンシャルエネルギー\(V(\boldsymbol{r}_1,\boldsymbol{r}_2,\cdots,\boldsymbol{r}_N)\)は、1体項、2体項、3体項、・・・の和に展開して表すことができる。これをクラスター展開と呼ぶ。
$$\begin{eqnarray} V(\boldsymbol{r}_1,\boldsymbol{r}_2,\cdots,\boldsymbol{r}_N) & = & \sum_i v_1(\boldsymbol{r}_i) + \sum_i \sum_{j>i}v_2(\boldsymbol{r}_i,\boldsymbol{r}_j)\\
&&+\sum_i \sum_{j>i} \sum_{k>j>i} v_3(\boldsymbol{r}_i,\boldsymbol{r}_j,\boldsymbol{r}_k)+\cdots
\end{eqnarray}$$
\(v_1(\boldsymbol{r}_i)\)は1体項と呼ばれ、外力の効果を表す。第2項以降が原子間相互作用のポテンシャルである。\(v_2(\boldsymbol{r}_i,\boldsymbol{r}_j)\)は2体項、あるいはペアポテンシャルと呼ばれる。2原子間の距離\(r_{ij}=|\boldsymbol{r}_i-\boldsymbol{r}_j |\)のみに依存する場合は、\(v_2(r_{ij})\)と書ける。\(v_3(\boldsymbol{r}_i,\boldsymbol{r}_j,\boldsymbol{r}_k)\)は3体項と呼ばれ、共有結合の結合角に依存したエネルギーを表すためによく用いられる。
上の式には示されていないが、分子鎖のねじれ角の歪エネルギーを表すために4体項が用いられることもある。5体項以上は少なくとも筆者は見たことがない。ただし、配位数に応じて2体項や3体項が変化するように拡張した、いわゆる多体効果を取り入れた2体、3体ポテンシャルは無数に存在する。
共有結合のように異方性の強い相互作用がなければ、3体項以上の多体項の効果を2体項に繰り込んでしまう近似法が取られることが多い。これを有効ペアポテンシャルと呼ぶ。
$$ V \simeq \sum_i v_2^{\rm eff} (r_{ij}) $$
有効ペアポテンシャルの代表的な例が、Lennard-Jones 12-6 ポテンシャルである。
$$ v_2^{\rm LJ}(r) = 4 \varepsilon \left \{ \left ( \frac{\sigma}{r} \right )^{12} – \left ( \frac{\sigma}{r} \right )^6 \right \} $$
ちなみに\(1/r^6\)に比例する項がロンドン力、すなわち誘起双極子間に働く引力で、いわゆるファン・デル・ワールス力の主成分である。\(1/r^{12}\)に比例する項は近接反発項で、12乗という数字に特に理論的根拠はない。6乗に反比例する項より速やかにゼロに収束させるためには6乗より大きくする必要があるが、12という数が用いられるのは、単に6の2倍で、計算に便利だからであろう。
適当なテキストエディタ(メモ張、ワードパッド、秀丸など)で、次のファイルを作成する。これは水分子のxyz座標を記述したファイルである。
ファイル名:water.xyz
3 Water molecule O 5.00 5.00 5.00 H 5.76 4.41 5.00 H 4.24 4.41 5.00
プログラムを起動すると、下図のように「VMD 1.9.* OpenGL Display」、「VMD Main」「VMD1.9.*」の3つのウィンドウが現れる。
「VMD Main」ウィンドウの「File」→「Quit」を選択。ダイアログで「Yes」を押して終了。