Verlet法による調和振動子のMD計算

調和振動子の運動をVerlet法を用いて再現してみよう。

1.調和振動子

まずは復習を兼ねて1次元の調和振動子の運動方程式を解析的に解いてみよう。

調和振動子の位置を\(x\)と書くと、調和振動子のテンシャルエネルギーは

$$ \phi(x) = \frac{1}{2}C x^2 $$

で与えられる。\(C\)は定数である。位置\(x\)において調和振動子に加わる力は

$$ f(x) = -\frac{d}{dx}\phi(x) = -C x$$

となる。したがって調和振動子の運動方程式は

$$ \frac{d^2 x(t)}{dt^2} = -\frac{C}{m} x(t)$$

となる。この微分方程式の一般解は

$$x(t) = A \sin \sqrt{\frac{C}{m}}t+B\cos  \sqrt{\frac{C}{m}}t$$

である。例として初期条件\(x(0)=1\)、\(\dot x (0) = 0\)のときの特解を求めると

$$x(t) =  \sin \sqrt{\frac{C}{m}}t$$

すなわち、角周波数\(\omega = \sqrt{C/m}\)、周期\(T=2\pi \sqrt{m/C}\)の単振動(正弦波)となる。