研究グループ

(1)シミュレーショングループ

 半導体界面の大規模モデリング

半導体デバイスの性能は、絶縁膜と半導体の界面、金属と半導体の界面など、異種物質同士の界面の構造に大きく左右されます。私たちは、ナノスケールの界面構造を再現できる古典分子動力学法(Molecular  Dynamics; MD)を用いて、これら界面の質を高める方法を探求しています。

EMC/MD法による粒子ベースのデバイスシミュレーション

渡邉研ではMD法を電子の輸送シミュレーションにも応用しています。電子や半導体中の不純物イオンを一粒一粒表現して、半導体デバイスの特性ばらつきやピコ秒オーダーの電流ゆらぎなどを再現し、半導体デバイスの集積化限界をノイズの観点から調査しています。

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 (2)ナノデバイスグループ

 

 ナノワイヤ型ショットキー障壁トランジスタの開発

従来の平面型デバイスの微細化が極限まで推し進められ、短チャネル効果に対する耐性が高い立体型デバイスへの移行が進んでいます。その究極のデバイス形態が、ナノワイヤ型のチャネルの全周をゲート電極で覆った構造です。その際、増大する直列抵抗を抑えるためにソース/ドレイン領域のメタル化が必要と考えられています。 渡邉研では、早稲田大学のナノテクリサーチセンターにある本格的なクリーンルームを活用して、メタルソース/ドレインを有するSiナノワイヤ型トランジスタを開発しています。

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  (3)STMグループ

STMは走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope)の略称で、固体表面を原子レベルで観察する手法として広く普及しています。渡邉研は、STMの観察領域をめがけて直接イオンビームを照射できる独自の実験装置を持っています。この装置でイオンビームによる半導体表面の改質の素過程を観察し、半導体デバイスの製造プロセスの制御に役立てています。

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  (4)UAVグループ

超大規模集積回路(ULSI)の性能を単純なスケーリング戦略で向上させる競争は終わりを迎えようとしています。次の時代のエレクトロニクスは、半導体技術で新しい様々な応用を生み出していくことで発展していくと考えられます。

渡邉研では、小型の無人飛翔体(Unmanned Aerial Vehicle; UAV)の開発に取り組んでいます。人のアクセスが困難な事故現場や災害時の情報収集のための新たな観測器として注目されている技術です。当研究室では羽ばたき型 UAV の実現を目的とし、羽ばたき機構の開発と、画像技術を駆使した姿勢制御技術の開発に取り組んでいます。

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