ナノワイヤ型ショットキー障壁トランジスタの開発
最先端の集積回路に用いられるMOSFETは、短チャネル効果に対する耐性の高い立体型へと形態が進化しましたが、チャネル領域が狭くなると、直列抵抗の増大も問題になってきます。そこで、これまで不純物を導入して形成してきたソース/ドレイン領域を、より抵抗の低いメタル材料に置き換える研究を行っています。
メタル/半導体接合を形成するとショットキー障壁が形成されますが、この障壁の厚さをゲート電圧で変化させることで、トンネルFETとして動作させることが可能です。最近、このショットキー障壁FETで、オフからオン状態への遷移が極めて急峻に起こせることが報告されており、省電力FETの候補として注目されています。
私たちは、電子ビームを用いた極微細加工でナノワイヤデバイスを作製しています。メタル領域は、Si結晶の一部をニッケルシリサイド化して形成しています。